子どものスマホ利用で気を付けること

IT化社会と呼ばれる昨今、子どもでも何らかのデバイスを持っている率が高くなっています。その中でも最も身近なデバイスが、スマートフォン。誰でも気軽に持ち運べる便利なアイテムです。では、子どもに持たせる時にはどんなことに気を付ければ良いのでしょうか?子どものスマホ利用の状況についてまとめました。

今の子どものスマホ所持率

子どもの携帯電話やスマートフォンの所持率は、年々増加しています。平成25年の内閣府の調査によると、小学生から高校生で「携帯電話・スマートフォンを持っている」と回答したのはおよそ6割。その中でも56%の子どもが「自分専用の携帯電話・スマートフォンを持っている」と答えました。学校種別に見ると、小学生で約30%、中学生で約50%、高校生で約96%の子どもが携帯電話・スマートフォンを所有しているとのことです。ちなみに小学校低学年では子ども向けの携帯電話が多く、学年が上がるにつれてスマートフォンに移行していく傾向があります。中学生で半数弱、高校生で約8割の子どもがスマホを所持しているという結果が出ました。

スマホを持たせるメリット

子どもにスマートフォンを持たせることで、以下のメリットがあります。

連絡手段として使える

スマホは常に持ち歩くもの。子どもがどこにいても連絡が取りやすいのが最大のメリットでしょう。学校や塾が終わった後の迎えや「今ここにいる」「遅くなりそう」という連絡はもちろん、万が一災害が起こった場合や迷子になった場合、トラブルに巻き込まれた場合などにも重宝するはずです。ちなみに親子間の連絡手段は、小学生の場合が「通話」が大半を占め、中高生になると「チャットアプリ」が半数近くになります。

友達との遊び道具として使える

スマホには通信機能以外にも様々な機能があります。チャットアプリを使って友達と連絡を取り合ったり、ゲームをして皆で遊んだり。今や「遊び道具」として欠かせないものになりつつあります。スマホを中心に話が盛り上がることもあるでしょう。むしろ場合によっては、スマホを持っていないと友達との話についていけないこともあるかもしれません。

自分で情報を探せる/世界が広がる

検索機能を使用すれば、膨大な情報の中から自分が知りたい情報を引き出すことができます。日常生活の中で疑問に思ったことや興味のあることを、いつでもすぐに調べることができるでしょう。そこからどんどん世界が広がっていきます。受け身で学習するのではなく自分で情報を探すことで、知識も深まっていくでしょう。

スマホを持たせるデメリット

では子どもにスマートフォンを持たせると、どんなデメリットがあるのでしょうか。

コミュニケーション能力の低下

自分で何でも調べられるということは、疑問に思ったことを親や先生に聞かなくなるという可能性もあります。自己完結して他者とのコミュニケーションが減ってしまうかもしれません。また、チャットやSNSなどネット上のやり取りに慣れてしまい、現実的なコミュニケーションが苦手になってしまう可能性もあります。

視力の低下

パソコンやスマホの画面から発せられるブルーライトは、瞳から入って網膜を攻撃します。特にスマホは画面を近くで見る上に隙間時間にしょっちゅう使ってしまうので、視力が低下しやすくなるでしょう。

依存性/生活習慣の乱れ

子どもは大人以上に興味のあることにのめり込んでしまいます。今までの生活になかったスマホという魅力的な遊び道具に、依存してしまう可能性も否定できません。食事中や入浴中もスマホを見ないと不安になったり、睡眠時間を削ってSNSをチェックしたり…。生活習慣が乱れて身体を壊したり、精神的なストレスがかかったりすることもあります。

不適切なサイトを見てしまう

インターネットには、子どもに見せたくないサイトや情報もたくさんあります。アダルトサイトや出会い系サイトなど、知らないうちに見てしまう可能性も大いに考えられます。思春期の子どもなら自分からつい検索してしまうことも。その結果、悪い影響を受けたり架空請求の被害にあったりするかもしれません。

気をつけること

では子どものスマホ利用において、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。しっかり対策を取ることで、デメリットをなくしてメリットだけを得ることができます。

子どもとルールを決めましょう

スマホ利用においてどのようなリスクがあるのかをきちんと子どもに説明し、お互いが納得できるようなルールを決めましょう。「日曜日の午後はスマホを使わない」「食事中や人と話している時はスマホを見ない」「歩きスマホをしない」「アプリをインストールする時は相談する」「上限金額を決める」「インターネットに自慢話や人の悪口を書かない」などなど。あまりたくさんだと覚えられない場合は、重要なもの2~3個にまとめてください。また、子どもだけでなく親も一緒に守れるルールだと尚良いです。半年ごとに内容を見直し、ルールを更新していきましょう。

フィルターを設定しましょう

スマホにフィルタリングをかけることで、子どもが有害サイトを閲覧・利用できないようになります。携帯電話会社に申し込み、設定しましょう。

スマホは現代には欠かせない、とても便利なコミュニケーションツールです。上手に使えば交流の輪が広がり、子どもの知識を高めることができるでしょう。そのためには親子間でしっかりとルールを決めて、気持ち良く使わせてあげることが大切です。