子どもがゲームをするというと、時間も忘れて夢中になり、宿題もそっちのけで長時間やり続けているというイメージを抱く親さんも多いのではないでしょうか?
定説化しているゲームが子どもに及ぼす悪影響
確かにゲームは子どもの心身の発育に悪影響を及ぼすマイナス面もあります。しかし、それだけではなく実は良い面もあるのです。そこで今回は、ゲームが子どもに及ぼす影響などをついて紹介していきます。
視力
ゲームをするときは、狭い視野になりがちです。小さな画面を焦点をそらさずにじっと見続けるため、瞬きの回数が減って眼精疲労が起こります。悪化すると、頭痛や肩こりに悩まされる場合もあります。更に、暗い場所だとゲームの画面が見えづらいので、目を凝らしてみることになり、視力低下も懸念されます。
運動不足
ゲームに夢中になると、どうしても家の中に閉じこもって外で遊ばなくなります。公園などに出かけても、遊具などで遊ばないでベンチに座ってゲームをしている子どももいる位で、体を動かす機会が減ってしまいます。その結果、運動不足に陥る可能性があります。
対人スキル
ゲームは自分でキャラを思う通りに動かせるし、好きなタイミングでいつでも始めたりやめることができます。そして何度でもリセットしてやり直すことができますが、実際に人間関係ではそうはいきません。
友人との遊びの中などで育まれる対人スキルがゲーム相手では身に付きにくく、相手を思いやったり気持ちを察する、時には我慢して譲るといったコミュニケーション能力が育たないと、将来的に社会に適応しづらくなってしまいます。
はまってしまう理由の1つ:興奮作用のドーパミン
子どもはゲームを始めるとなかなかやめられないですが、それは脳内でドーパミングという興奮作用のある物質が大量に分泌されるからです。ゲームで興奮すると、快楽の感情が最高潮に達するので没頭してしまうのです。また、日常的に1日3時間以上ゲームをする習慣があると、ゲーム中毒の可能性もあり、もはや自制が効かなくなってしまいます。
子どもと決めるルール
ゲームとうまく付き合うためには、子どもとゲームに関するルールを決めることが大事です。宿題を終えてからやる、1日や1週間にゲームができる時間を決めて、スケジュール表を子どもと一緒に作ってみるのもおすすめです。また、頭ごなしにゲームを禁止するのではなく、公園で遊んだり、工作をするなどゲーム以外の楽しみが持てるように導いたり、時には親子のコミュニケーションとして子どもと一緒にやってみるのもよいでしょう。
ゲームが子どもに及ぼす良い影響
ゲームは子どもに悪影響ばかりではなく、子どもの成長にプラスに働くこともあります。ではゲームが子どもに与えるよい面を紹介していきます。
操作・操縦能力(運動能力)
ゲーム内で瞬時に敵を見つけて攻撃したり、コントローラーを上手に操作してプレイを続けることなどから、目と手先の連携動作がスムーズに行えるようになります。視覚から得た情報を瞬時に判断し、動作につなげる瞬発力や動くものを的確に捉える動体視力などの運動能力が養われます。
情報処理能力
複雑なキャラクターやストーリー設定のゲームが多い中、与えられた情報を自分で整理して処理する情報処理能力が養われます。更にストーリーなどを理解する読解力や、空間記憶能力、どのようにゲームを進めれば、操作すればクリアできるか、問題が解決するかという問題解決能力も養われます。他にも、ゲームに夢中になり、ミスを減らしてクリアしたいと努力することから集中力も養われます。
ゲームに熱中する子どもの特徴
ゲームには色々な種類がありますが、ゲームに熱中する子どもにはそれぞれ特徴がみられるので見ていきましょう。
アクションゲームに熱中する子
アクションゲームでは視覚でとらえたものに対し、瞬時にコントローラーで操作して倒したり、ボールを打ち返すなどの動作を行うので、動体視力や操作能力に優れた、手先の器用な子が多いのが特徴です。スポーツや料理、工作など細かな作業など主に手を動かすものが得意な子が多いかもしれません。
RPGやシミュレーションに熱中する子
RPGやシミュレーションゲームでは、ストーリーやキャラクターの設定が複雑です。その複雑な内容を理解し、ゲーム内で次々に与えられていく情報を自分で分析して処理する必要があります。そして、整理された情報を元にして、ゲームクリアに向かって進んでいくため、情報処理能力や問題解決力に優れている子が多いのが特徴です。
ゲームは子どもの心身の発育には悪い影響が出ると言われていますが、必ずしもそうとは限りません。子どもとよく話し合ってゲームに関するルールを決めることで、中毒に陥るのを防ぐこともできる上に、子どもの楽しみを尊重してあげることもできます。ゲームにより見えてくる子どもの長所をぜひ伸ばしてあげられるように、親さんとしては見守ってあげることが大事だと言えます。