小・中学校でプログラミング教育が必修化されたことにより、プログラミング学習の重要性が注目されるようになりました。しかし、プログラミング教育とはどのような学習なのか、また目的や養える能力が何なのかよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、小学校のプログラミング教育にスポットを当て、その内容や目的を具体的に解説していきます。
目次
明確なカリキュラムが決まっていないため教え方に差が出る場合がある
本格的にプログラミングを学ぶには、プログラミング教室がおすすめ!
小学校、中学校ではプログラミング教育が必修化されている!
小学校では2020年から、中学校では2021年からそれぞれプログラミング教育が必修化されています。
とはいえ、プログラミング専門の教科が新設されたわけではありません。子供たちは国語や算数、理科といった従来の科目のなかでプログラミングを学んでいきます。また、プログラミング教育は何年生からスタートする、という具体的な規定はありません。そのため、プログラミング教育の学習内容やスタート時期は各市町村の教育現場により異なりますが、一般的には5~6年生からスタートする子供が多いようです。
そもそも「プログラミング教育」とは
プログラミング教育とはプログラミングの知識や技術を学ぶだけでなく、「プログラミングの考え方」を学ぶことで、子供の発達段階に応じて「論理的思考力」、「読解力」、「問題解決能力」の向上を目的としています。そのため小学校ではプログラミング教育は国語や算数など、ベースとなる各教科の学習をさらに発展させる演習として取り入れられています。
小学校のプログラミング教育の目的は、「プログラミング言語の習得」ではなく、「プログラミング的思考」を身につけることです。プログラミング的思考とは、「物事を解決するための論理的な道筋を考える」ことで、子供たちはプログラミング教育を通してこれらの思考を養っていきます。
つまり、従来の教科にプログラミングを活用して単元の学習を発展させ、なおかつプログラミング思考を育くんで各教科についてより深く理解する、これが小学校におけるプログラミング教育なのです。
プログラミング教育が必修化された背景
プログラミング教育が必修化された背景にあるのが、AIやインターネットのめざましい進歩と普及です。現在、AIやインターネットは人々の便利な生活に欠かせないものとなっています。また、今後コンピューターはさらに発展し、それに伴い社会の在り方も変化していくと予測されています。
そのような社会に対応できる人材を育てるために、小・中・高等学校を通じてのプログラミング教育の実施が定められました。
プログラミング教育の目的
プログラミング教育の目的は、プログラミング言語やプログラミングスキルの習得、向上だけではありません。
プログラミング教育の主な目的は以下の3つです。
1.「プログラミング的思考」を育成する
2.IT技術を活用した社会を築くための態度を育む
3.他の教科の理解を深める
それぞれについて詳しく解説しましょう。
1.「プログラミング的思考」の育成
前述したとおり、プログラミング的思考とは、問題解決や物事の実現のためにどのような手順や組み合わせでプログラムを組むべきか、また問題が起こったときにプログラムをどう改善するべきか、を論理的に考える力を指します。
プログラミング的思考を育むことで、物事を順序だてて考えられるようになるだけでなく、効率よく作業をしたり、ベストな方法で目標達成できるようになったりするでしょう。
2.IT技術を活用した社会を築くための態度を育む
小学生からプログラミングに触れることにより、IT化が加速する社会に対応できる人材として必要なスキルが身につきます。今後、どのような職業に就いてもコンピューターを活用する知識とスキルが必要となるでしょう。
社会で活躍するためには、コンピューターを正しく理解し、活用することが重要です。そのような人材を一人でも多く育成することも、プログラミング教育導入の目的のひとつです。
3.他の教科の理解を深めるため
プログラミングで論理的に考え、問題解決する力が養われることにより物事の本質が捉えられるようになり、各教科への理解が深まります。また、各教科にプログラミングを導入することで、基礎が定着するだけでなく応用力も身につくため、より高い学習効果が期待できるでしょう。
プログラミング教育で育みたい能力について
プログラミング教育を通して育みたい能力のひとつが、プログラミング的思考です。プログラミング的思考は、実際にプログラミングに触れなければ育むことはできません。また、プログラミング的思考は、将来どのような分野の職業に就いても必ず求められる力である、と考えられています。
また、プログラミング教育の導入により必要に応じてコンピューターを利用して情報収集したり、整理・比較したりする情報活用能力の育成も期待されています。つまり、情報を適切に活用する能力を養うことで、幅広い学びを得ることも重要視されているのです。
さらに、わからないことや知らないことを自主的に調べようとする「学びに対する姿勢」や、周囲と協力しながら問題をやり抜く力も育まれるでしょう。
プログラミング教育にデメリットはある?
子供たちのさまざまな能力を育んでくれるプログラミング教育ですが、いくつか注意したい点もあります。子供にプログラミングを学ばせる際は、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが大切です。
インターネットの危険に触れる可能性がある
プログラミングによってインターネットに興味を持つことで、トラブルに巻き込まれる可能性があります。たとえば、SNSを利用したいじめは今や社会問題になっています。そのほかにも個人情報を拡散される、子供が著作権を理解しておらず違法アップロードをしてしまう、などインターネットにまつわる事犯はあとを絶ちません。
このようなトラブルを起こさないためにも、事前にITリテラシーについて親子でしっかり話し合い、インターネットは親の見ているところで使用するなどのルールを決めておく必要があります。
明確なカリキュラムが決まっていないため教え方に差が出る場合がある
プログラミング教育には明確なカリキュラムがないため、学校の通信環境や指導する教員のスキルによって学習内容に差が出てしまう可能性があります。
今後は教員の研修制度の確立やITスキルが高い教員の増員など、プログラミング教育を充実させるための環境整備がなされると予想されますが、すぐに問題解決につながるわけではありません。
学校でのプログラミング教育が物足りない、子供がもっとプログラミングについて学びたがっている場合は、プログラミング教室に通うなど、学校の授業以外で学習できる機会を設けてあげるとよいでしょう。
現実体験による学びの機会が減る
プログラミング教育が必修化されることで、実体験による学びの機会の減少が危惧されています。自然に触れたり音楽を聴いたりと、五感を使うことで得られる情報もたくさんあります。小学生の子供たちには、プログラミング以外のさまざまな体験をさせてあげることも大切です。
実際、プログラミング教育ではどのようなことを学ぶの?
小学校のプログラミング教育での教科別学習内容の具体例は、以下のとおりです。
教科 | 学習内容 |
算数 | Scratchなどのビジュアル言語を活用して、正多角形を多数作成する |
国語 | 「は」「を」「が」「に」の助詞を入れ替えるプログラミングで、主語と述語の関係性や助詞の正しい使い方への理解を深める |
社会 | 都道府県や自分の住んでいる街の特徴を、プログラミングを用いて学習する |
理科 | 身近にある電気を活用した道具の性質について、プログラミングをとおして学ぶ |
音楽 | プログラミングソフトを使って、いろいろなリズムやパターンを組み合わせた音楽を作る |
小学校で実施されているプログラミング教育は学校ごとに異なるため、上記はほんの一例にすぎません。このほかにも、図工の時間にロボット製作を行ったり、さらに踏み込んでロボットに動作を指示するプログラミングを作成したりする学校もあります。
また、民間の企業と協力してプログラミング教育を実施している小学校も少なくありません。いずれにせよ小学校のプログラミング教育では、子供たちの好奇心を刺激して楽しみながらプログラミング的思考を養っていくことが目的とされています。
本格的にプログラミングを学ぶには、プログラミング教室がおすすめ!
これまで述べてきたとおり、小学校におけるプログラミング教育は、必須科目として追加されたわけではなく、ほかの科目の一環として導入されています。そのため、プログラミングに興味を持っている子どもにとっては、少々物足りなく感じるかもしれません。
子供にプログラミング言語や本格的なスキルを学ばせたいと思っている方は、プログラミング教室を検討してはいかがでしょうか。市販の教材やWebアプリを活用して学習する方法もありますが、不明点や疑問点が出てきたら、自分で調べなければならないため、習得までに時間がかかります。また、教材やアプリによっては情報が古く、子供が興味を持てない内容になっている可能性もあります。
その点プログラミング教室では、専門的な知識のある講師が指導してくれるため、疑問点や不明点もその場ですぐに解決できます。また、オリジナルゲームを作ったり、ロボットに指示を出して動かしたりする楽しいカリキュラムが展開されているので、子供の知的好奇心が刺激されるでしょう。
プログラミングは、「何歳から始めたほうがよい」という定義はありません。教室の対象年齢も幼児から通えるところや小学生が対象のスクールなど、学ぶ内容やコースによりさまざまです。年齢を問わず子供が興味を持ったタイミングで通えるのも、プログラミング教室の魅力です。
まとめ
プログラミング教育が必修化されたことがきっかけで、プログラミングに興味を持つ子供も増えています。しかし、小学校のプログラミング教育は、あくまでも入口にすぎません。プログラミングの知識やスキルを向上させるには、プログラミング教室に通ってプロの講師に教えてもらうのが一番です。
プログラミング教室Switchでは、小学生の子供たちが楽しみながらプログラミングについてより深く学習できるカリキュラムを展開しています。無料体験も随時開催中のため、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。