近年は小学校でパソコンを使った授業も増えてきました。2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるという動きもあり、今後はますます重要な教科となっていくことが予想されます。しかしパソコン授業がなかった親世代にとっては未知の領域。いったいどんなことを勉強するのか、確認しておきましょう。
パソコンの授業は何年生から?
パソコンの授業について、「何年生からスタート」とは明確には決まっていません。学校の方針や設備・教える人材などによって様々です。ただ小学校1年生や2年生など、低学年から始まる学校が多いようです。現状では国語や算数と違ってひとつの科目として扱うのではなく、学活や道徳などの時間に取り入れる形になるため、授業の頻度も学校によって異なります。
パソコンの授業の中身は
では、実際にどんなことをパソコンの授業で習うのでしょうか。学校によって異なりますが、一般的には以下のような内容となります。
低学年
小学校1~2年生の間は「とにかくパソコンに触れること」が目的となるため、視覚的・感覚的な操作が中心となります。ペイントソフトやマウスを使ったお絵かきや、簡単な学習ゲームなどがメイン。3年生でローマ字を習い始めると、文字入力も行うようになります。タイピングの練習が多くなっていくでしょう。児童同士でメールやチャットなどを行うこともあります。
高学年
小学校4年生くらいになると、インターネットを使った調べものなど、より実践的な内容になります。「○○について調べてくる」という課題が出されて自分たちで調べたり、ソフトを使った簡単な表計算を行ったりします。同時にインターネットを使う上で重要となるインターネットリテラシーやマナーの勉強も行います。その他、高学年はプログラミングやデジタル写真の加工などの勉強をすることもあります。
外国ではどのような内容の授業をしているか
海外の小学校は、日本よりも更にIT化が進んでいると言えます。アメリカでは大統領自らプログラミング教育の重要性を説いており、高学年ともなるとパワーポイントなどを使用してプレゼンテーションを行うようになります。予定や教材もコンピューター上で管理し、子供たちは自分で課題をダウンロードすることも。オーストラリアでは数年前から通常の授業でも一人一台のパソコンが配布されるのが一般的になりました。イギリスでは5歳~16歳の児童・生徒全員にプログラミング学習が義務付けられています。
日本は総合的な学習からITスキル学習へ
これまでの日本は、各教科において受動的な方法で学習を行ってきました。それが少しずつ自ら能動的に行動する授業に変わってきています。ITスキルは特に、技術力だけでなく発想力や問題解決力を鍛えることができる分野。自分から情報を取得すること知識が身に付きやすくなり、活用できるようになるでしょう。そのため総合的な学習ではなくITスキルを磨く授業に変化してきています。
小学校で学べること、学べないこと
では、現在の日本の小学校のパソコン授業において、学べることと学べないことにはどんな違いがあるのでしょうか。
学べる事
文字の入力や検索方法、簡単なソフトの操作など、パソコンの基本的な操作を一通り学ぶことができます。またインターネットを扱う上でどんな危険があるかというリスク、顔が見えないからといって好き勝手言ってはいけないという一般的なモラルやマナー、心得なども勉強します。その他、課題について「自分で調べて発表する」という一連の動き・考え方を身に付けることができます。
学べないこと
基本的に、1クラスのパソコン授業を受け持つ先生は1人です。そのため一人一人に長い時間は割けず、詳しい操作や応用は学びにくいと言えるでしょう。先生のスキルが高くないケースもあり、プログラムなどの作品を一から作り上げるのはなかなか難しいのが現状です。学校の授業はあくまで基本的な操作を学ぶ場であり、高度な作品作りを学ぶことには向いていないと言えるでしょう。
家庭で補うべきパソコンの教養
パソコンの使い方を学校にすべて任せるというわけにもいきません。家庭では細かい部分の利用法を教えていきましょう。特に教えたいのは、SNSやチャットアプリ、メールなどの利用方法。学校ではそこまで手が回りませんが、使い方を間違えると人間関係のトラブルにも繋がる重要なツールです。最初に使い方や考え方をきちんと説明し、子供と一緒に使うことで覚えさせてあげてください。親子間でメールやSNSをすることで、発言内容や使用頻度など、子供の使い方やモラルをチェックすることができます。
パソコン教室で補うパソコンの教養
より詳しい操作や技術は、パソコン教室で身に付けるのもひとつの手。この道のプロが教える少人数制のパソコン教室なら、学校の授業以上に詳しい技術や知識を教わることができます。プログラムを組んでゲームやアプリを作るなど、楽しくスキルを磨くことができるでしょう。学校のパソコン授業で「もっとやりたい」という興味が出てきたら、習い事にすることも選択肢に加えてみてください。
学校の先生が1人でパソコン授業を行うには限界があります。授業だけでは足りない部分は、家庭や習い事などで補ってあげましょう。周囲のサポートが子供のやる気を伸ばすことや技術力として形にすることに繋がっていきます。